混線

明確な立ち位置も定まらないままに、言葉、人と成りうる支柱ばかりが芒失していく。錆、灯りと黒で構成されている。いついかなる時であれ、これが起点だ。
あぁ、なんて陰鬱な。他者はあなたを矯正道具であると同時に、自己の鏡写しでもあるのです。目を見て話しなさい。姿、有り様から新しいあなたを学びなさい。
でも、あいつの目は嫌いだよ。目は、僕の心を取り囲んで、一生をかけて挽き殺すんだ。あいつが思ってることなんて知らない。銃の使い方を、引き金を引かなくても人っこ一人殺すのなんてわけないってことをあいつはちゃんと分かってる。
俺が思ったのとはだいぶ違ってたんだ。硝子はもっと割れてたし、音量だって小さすぎた。あれではまるで別物だよ。同じ情景、同じ思考、同じ大きさでないと意味がないんだ。
そうやってあいつはいつも間違えるんだ!
あれは狂気だよ……わざとやってるんだ。
救われない所から始まると信じてる。
泥の中に浸かってれば、僕が、僕が助けに来るって!どう考えたって助けるはずがないのに!だからあいつは………
死んじまったよ。自分で首を括ってな。
あの娘は昔っから他人が嫌いだったが、とうとうなにもかもが嫌いになっちまったみたいだ。俺は何にも知らないよ。何にも。