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「君も僕も同じでは居られないよ
体も心も削れて無くなるものだからね」
──花は美しさを保てない─否、枯れなければ保てないのだ──
男は心底嬉しそうに供述した
彼にとっては、老いこそ潤いであり、悲劇こそ痛快であり、死こそ源であり、灰色こそ至高なのだろう
君はどう考える?───
愉しそうに男は言葉を続けた
私。彼は私の考察を求めているのか。
否、彼は相槌のような同意しか求めていないのかも知れない。
それ以前に、彼は気違いだ。
それでも、私は、彼が私だけに初めて魅せ、感じさせてくれたものを大切にしようと思った。